日本を元気にする!運動会屋遠藤のつぶやき Vol.115
組織の中でマネジメントをする者に必要な能力について、ピーター・F・ドラッカーは著書で「目標を設定する能力」「コミュニケーション能力」などに加えて、「インテグリティ(真摯さ)」の大切さを繰り返し説いています。
「真摯さ」とはどういうことでしょうか。「真摯さ」とは、辞書を調べてみると、まじめで熱心であることという意味として出てきます。ドラッカーは著書で「インテグリティ」という言葉で表現しています。この単語の意味を調べると、正直・誠実・高潔という意味があります。ドラッカーの言う「真摯さ」とは、これらの意味も込められているようです。人は“感情”に大きく左右されます。人の力を引き出し、目標のために力を一つにしていくためにマネジメントしていく者には、人の“感情”を納得させて、手本となり、巻き込んでいく力が必要だということです。
この「真摯さ」を行動で示すためには、その人の考え、哲学が必要です。そのために参考になる考え方が、“ノブレス・オブリージュ”です。
「(リーダーには)偽りがあってはいけない。私心があってはいけない、わがままであってはいけない、おごりの心があってはいけない。そうした高潔な生き方をおのれに課すこと。これが人の上に立つ者の義務、すなわち、ノブレス・オブリージュというものでしょう」と元京セラ・第二電電創業者である稲盛和夫氏は述べています。
“ノブレス・オブリージュ”とは直訳すると「貴族の義務」です。一般的に「財産、権力、社会的地位を持つものは社会的義務が伴う」という意味です。財産、権力、社会的地位というものは自身の能力ではなく、社会から与えられたものであるから、自己を犠牲にしてでも果たすべき義務があるという考え方です。“ノブレス・オブリージュ”の考え方からは、社会や組織から、マネジメント職層には「地位」とそれに伴う「職権」が与えられており、また、それに伴った「待遇」も与えられています。だから、マネジメント職層は、与えられた力を活用して、社会や組織に還元していく義務があるのだと考えます。この考えは、マネジメント職層に必要な「真摯さ」を実践していくために、参考になる考え方だと思います。
この記事を書いた人
遠藤 直哉