日本を元気にする!運動会屋遠藤のつぶやき Vol.82
2015年9月に国連サミットにおいて加盟193カ国が賛成して採択された「2030年アジェンダ」に掲載されている世界共通の目標である「SDGs(持続可能な開発目標)」は、採択されて5年が経過し、政府などの行政機関だけでなく、経営方針に掲げて積極的に取り組む民間企業が増えてきています。
しかし、帝国データバンクが実施した“SDGsに関する企業の見解”のアンケートによると「SDGsの意味や重要性を理解して取り組んでいる又は取り組もうと思っている」という積極姿勢を持つ企業は24.4%、一方、「SDGsの意味や重要性は理解できるが取り組んでいない」が32.9%、「言葉は知っているが、意味や重要性を理解できない」が14.8%と半数近くの企業が具体的には取り組んでいないという結果になったそうです。
そして、最近、新たな環境問題が発生していることが懸念されています。それは、新型コロナウイルスによる「ゴミ問題」です。使い捨てマスクや除菌ボトルなどのごみが大量に海に放出されているそうです。この問題は、それ自体が問題であるだけでなく、海底に蓄積し海洋エコシステムに多大な影響を及ぼす「マイクロプラスチック」問題を悪化させる危険性が指摘されています。
SDGsに重要性を感じられないという企業がおよそ半数を占めている状況も、新型コロナウイルスと戦う中で今度は大量のマスクが捨てられ新たな海洋環境の破壊につながっているという状況も、“SDGsを達成した後の世界を自分たちの手で創る”という意識が私たち一人ひとりに醸成されていないことが根本の原因にあると思います。この意識を醸成できなければ、SDGsを達成するどころか、次から次に問題が発生するのではないかと危惧しています。
いま、すでに私たちは世界とつながっていて、私たちの全ての行動が世界を作り上げています。これから、どのような世界を創り上げていくかは、私たち一人ひとりの行動にかかっています。
先ほどのアンケートに回答した企業の中から、「どのような事業や取組みがSDGs17の目標に対してどのように貢献できるのかが分からない」という指摘もあったそうです。
私たちの行動が、どのように世界とつながっているのか、そして、どのようにしたらどう世界が変わり、SDGs17の目標達成に貢献できるのかを具体的に示すことが、“SDGsを達成した後の世界を自分たちで創る”という取り組みを加速する鍵なのではないかと思います。
私たち一人ひとりが、“自分以外の誰かのために”と少しだけ考えて、行動していきましょう!
この記事を書いた人
遠藤 直哉