日本を元気にする!運動会屋遠藤のつぶやき Vol.68
電車で席を譲った時、譲られた方は「すみません」と頭を下げる。こんな様子を見かけたことがあると思います。「すみません」という言葉は、様々な意味を含んでいるので万能な言葉なのかもしれませんが、「ありがとう」と言われた方が、相手はうれしいと感じ、笑顔になれるときがすごく多い気がします。
食品メーカーのネスレ日本株式会社が実施した「日常の感謝行為に関するアンケート調査」によれば、日本人が1日に「ありがとう」を言う平均回数は、7.5回だそうです。人は日常で、90秒に1回は何らかの頼み事をしているという研究もあることからすると、「ありがとう」を言う回数は、少ないと感じます。
なぜ、日本は「すみません」の文化だと言われるのでしょうか。
日本では、自分のためには必要以上に他者に保護を求める一方で、他社と関わらないために“自己責任論”が唱えられることが多くあるような気がします。
コロナ感染についてのアンケートによれば「感染する人は自業自得だと思うか」という質問に対して、肯定した回答は、米国1%、英国1.49%、中国4.83%に対し、日本は11.5%と諸外国と比較して高いものだったそうです。自己責任が前提だと考え、他者が自分を助けてくれたり、気を遣ってくれたということは、自分の未熟さだと思って謝るのかもしれません。
「ありがとう」と言われて嫌な気がする人は恐らくいないと思います。それは、幸福感が高まる「オキシトシン」というホルモンが放出されるからです。このオキシトシンは「信頼ホルモン」とも呼ばれており、「ありがとう」と相手に伝えることは、相手から信頼されることにつながるそうです。元アメリカ合衆国国務長官のコリン・パウエル氏は、執務室の清掃員にも欠かさず感謝の気持ちを伝えていたそうです。同氏は「組織に属する人は一人ひとりに価値があり、その価値を認められたいと思っている。—人間というのは、承認と励ましを必要とする」と述べています。
組織のメンバーに、1回でも多く「ありがとう」と伝えてみましょう!
この記事を書いた人
遠藤 直哉