日本を元気にする!運動会屋遠藤のつぶやき Vol.64
「功のあった人には禄を与えて、能力のある人には位を与えよ」これは、明治維新の立役者の一人である西郷隆盛の組織に関する言葉です。禄とは仕官している者に与える金銭や物資のことで、いわゆる給与です。西郷のこの言葉は「手柄を立てた人間には給料で報いて、能力のある人間には地位を与えることが大切だ」という意味になります。
現代の典型的な状況に置き換えてみると「素晴らしい営業成績を上げた社員には給与で報いる」ということです。しかし、実際の現場では、素晴らしい営業成績を上げた営業マンの社内の評価は高くなります。その結果、給与も高くなる可能性が高いですが、そのまま次の管理職に抜擢されることが多くあります。
ここに課題があると思います。高い営業成績を上げることができる社員は、営業成績を上げる能力は高いと言えますが、“位”すなわち会社でいう“管理職”を務める能力があるかどうかということは別であるということです。管理職になる人の多くはチームを率います。チームで成果を出すことを求められます。自らが成果を出すときに求められる必要な能力とは異なるのです。これを理解せずに昇進させた結果、メンバーは力を発揮できず、チームも成果を残せないということが起きてしまいます。
チームを率いる管理職の仕事として「自らの資源、特に人的資源のあらゆる強みを発揮させるとともに、あらゆる弱みを消さなければならない」と経営学者ピータードラッカーが述べています。リーダーはメンバーの力を引き出すサーバント(支援者)であるべきなのだと思います。
私たちは、西郷の言葉をよく理解して、各メンバーの最大の力を引き出し、組織の成果に結びつけていきましょう!
この記事を書いた人
遠藤 直哉