日本を元気にする!運動会屋遠藤のつぶやき Vol.11
物が十分に行きわたっていない時、多くの人の欲求は物を手に入れることでしたが、物が豊かになった今、多くの人々の欲求の対象は「モノ」から「コト」へと変化しています。そして、「コト」は、自分だけのこと(「個ト」)、個に対するサービスを指すようになってきています。この人々の欲求の変化に対して、組織としてどのように対応することが必要なのでしょうか。
個に対するサービスを提供する際、標準というものがありません。サービスを提供するためには、お客様の希望をよく聴き、理解しながら、実現することが求められます。言い換えれば、お客様の希望を“イメージする力”が必要になると言えます。これからの組織は、チームのメンバーに“イメージする力”を発揮してもらう必要があります。
このイメージする力は誰もが持っていると言われますが、発揮されるか否かのカギは、その仕事が「自分ごと」になっているかどうか、その仕事に主体的に取り組めているかどうかにあると言われています。
「人間は主体的に生きようとする」と心理学者のアドラーは述べています。そもそも、人間は主体的であると。確かに、1才2才の子は何にでも興味を示し、自分の感情に正直にまさに主体的に生きています。ところが、時が経つにつれて、主体的に生きようとする気持ちが表れることが少なくなっていきます。
この原因について、コーチングの観点から「承認が足りない」ことにあるとする考えがあります。承認には、存在そのものを尊重する「存在の承認」、相手の行動の変化や能力が変化したことを認める「変化の承認」、相手が達成した成果に対して賞賛する「成果の承認」などがあります。
皆さんの周りに“承認”はありますか?
足りないことの指摘ばかりしていませんか。相手に対して、そして自分に対しても。
その人を認めて、そして、自分も認めること。「自分ごと」「主体性」を取り戻すためのヒントはここにあるのかもしませんね。
この記事を書いた人
遠藤 直哉