日本を元気にする!運動会屋遠藤のつぶやき Vol.112
新入社員の頃、当時の職場の先輩から、仕事をする際「視座を高くもちなさい」「実際より2階層上の役職だと思って行動しなさい」とアドバイスをいただきました。会議などで、課長ならどう考えるかを述べるコーナーが設けられていた時もありました。会議のたびに、かなりの汗をかきましたが、大変勉強になりました。この「視座」という言葉と似た言葉として、「視野」「視点」があります。「視野を広く持ちなさい」というアドバイスもよく耳にします。
この3つの言葉を調べてみると、「視座」とは、事実を眺めるときにどのような立場・役割で眺めるかどうか。「視野」とは、持っている視座全てから眺めることができる事実の範囲。「視点」とは、事実を眺めるときに注目する点のことを意味しているようです。
仕事を進める際の「視座」の持ち方について、「依頼者の視座に立つ」ことが、大切な一つのポイントだと思います。私たちの仕事は、依頼者からの依頼要件に対して成果を出すことですが、依頼者側には、その要件に加えて、“当たり前の期待”が隠れています。要件だけではなく、この期待を理解して仕事を進めないと、成果に対して、依頼者に不満が残ったり又は過剰な質となって時間を無駄に使ってしまったりします。依頼者の”当たり前の期待”を理解して、依頼者の「視座」に近づけるよう、可能な限り依頼者に問いかけながら、仕事を進めていきたいですね。
視座を高く持って仕事をしていても、何に注目するべきかが分からなければ問題点を正しく把握できません。視座は正しいが、注目点を間違えている状況を「視点が鈍い」と言います。正しい視点を持つために、問題を表面的にとらえず、イシューツリー*を作りながら掘り下げていくことが大切だと言われます。そのためにも、その案件の“ステークホルダーの利害を幅広く考え”、その上で、“整理整頓して絞る”ことが欠かせないと思います。様々な利害関係を掘り下げて、絞りきることで、本質に近づくことができます。この掘り下げが不十分であると、後々必ず問題にぶつかってしまいます。
多くのステークホルダーのことを広く考え、問題の本質まで絞っていくことを繰り返すことが、適切な「視点」を持つための訓練になっていくのだと思います。
*論点を木の枝のように分岐させ問題解決の仮説をたてる
この記事を書いた人
遠藤 直哉