日本を元気にする!運動会屋遠藤のつぶやき Vol.109
自分に自信が持てず、何とか自信を持てるようになろうとしている人が多くいます。組織の中においても、自信をもって困難なことに挑戦していくことはとても大切だと思います。そのため、自信を持ちなさいと言われることが多くあるのではないでしょうか。
カリフォルニア大学バークレー校の研究によれば、自信があるように振舞うだけで、他者はその人を有能で高い地位にある人だと見なすそうです。やはり、自分に自信を持つということはメリットが大きいように思います。しかし、自信を持ち過ぎると、自分以外の意見や考え方を受け入れないようになってしまったり、自分を成長させるための姿勢が失われたりしてしまいがちです。自信過剰と言われる状態です。これは、組織にとってもマイナスです。このように、自信はなくても、ありすぎても良くないのです。
この点、自信に代わるものとして、テキサス大学准教授のクリスティン・ネフ博士が提唱する「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」という概念があります。自分に思いやりをもつことで、自分自身が完璧でないことを受け入れ、自尊心は満たし、傲慢になるといったマイナス面を含まないのだそうです。このセルフ・コンパッションを育むためには「自分はダメな人間だ」というような自己批判をしないことです。“ダメな自分も自分”であると、あるがままを受け入れることが大切です。
複雑な社会の中で、組織が成長を続けるためには、組織のメンバーの多様性を受け入れて、それを組織の力に変えていくことが欠かせません。いま、自信を持つことができていない人が、「自信を持て!」と言われるのは苦痛でしかないのだと思います。それが出来るならもうすでに自信をもっているはずです。
自信をもつように伝える前に、“自分に思いやりをもつ”ステップが踏めるように促していくことも、メンバーの力を引き出すために効果があるのかもしれませんね!
この記事を書いた人
遠藤 直哉