日本を元気にする!運動会屋遠藤のつぶやき Vol.105
人を説得するためには、「パトス」「ロゴス」「エトス」の3つが必要であるとアリストテレスは「弁論術」という書物の中で書いています。
「パトス」とは古代ギリシア語で“感情”のことです。議論をしている際にも、相手の感情に訴えて相手を説得するという部分もあります。一時的に感情の高まりが引き起こされるできごとがあり、気持ちがそれに流されて、動いてしまうこともあります。
「ロゴス」とは“論理”のことです。議論においても論理はとても大切なことですが、論理だけで人は動きません。冷静に論理的な事実だけを並べると、むしろ、相手の気持ちを頑なにしてしまい、逆効果となることがあります。
感情と論理に加えて必要なこととして、“いつもの所”という意味の「エトス」が挙げられています。その集団にとっての“いつもの所”の日常性は、その組織の組織文化の醸成にも影響しています。ここでの”いつもの所”という意味は、ここで意見を述べても理不尽な批判はされないという“信頼関係”で結ばれた空間のようなイメージでしょうか。
組織がビジョンを達成するために、真剣に意見を述べ合える“真の”コミュニケーションが図れることは、必要な要素の1つです。この“真の”コミュニケーションが図れるということは、信頼関係で結ばれているということです。
このように組織の信頼関係を醸成するためには、メンバーが組織の目指す“ビジョン”を理解し、実現したいと思えていることが大切です。そのことにより信頼関係が醸成されて〝真の”コミュニケーションを図ることができます。
説得したり、説得されたり、様々な議論を重ねて、組織が進むべき道を見つけていくために、議論ができるステージをしっかりと構築することが大切です。
この記事を書いた人
遠藤 直哉