日本を元気にする!運動会屋遠藤のつぶやき Vol.110
組織・チームには規模の大小を問わず、メンバーがそこに集まっている理由である“ビジョン”が必要です。ただ、集まっている“集団”との大きな違いです。組織の存在意義ともいえる“ビジョン”ですが、メンバーが増えて規模が大きくなると、組織の最も大切なものであるにも関わらず、メンバーの意識の中で優先順位が下がってきてしまいます。これが、組織の軸ともいえる”ビジョン“をメンバーで共有する場を設けることを提案する理由です。“ビジョン”を共有し、その実現のために必要な“ミッション””バリュー”もメンバーで共有する。メンバーの個性を組織の力に変えていくためにとても重要なことです。
メンバーの力を組織の力に変えていくためには、この共有に加えて、“組織の仕組みの構築”が必要であると思います。
大人気ブランドである「無印良品」「MUJI」を展開する、上場企業である良品計画ですが、売上が親会社を超えるほどの勢いで成長をした後、売上が大きく下がった時期がありました。その回復のために新たに就任したトップは、この低迷の大きな原因一つは、店舗での商品の循環が悪く、在庫処分するために商品が乱雑に並べられていることが原因で店舗が汚いことにあると考え、約100億円もの多額の費用をかけて在庫処分を実施しました。そして、この新品在庫の処分は、現場の意識を変えるために、時に責任者の目の前で行われたそうです。しかし、現実には現場の意識は変わらず、翌年にはまた商品在庫が積みあがってしまったのです。
この危機に対して、同社は、従来の「感性」重視の経営を見直し、「MUJIGRAM」という必要な業務を全て明文化したマニュアルを作りました。このマニュアルは現在の最適が常に記載されるように頻繁に更新されていきます。従来の組織の価値観を変革し、そして、その価値観に沿った“組織の仕組み”まで変更しました。その後、同社はV字回復を遂げました。
組織が目指すこと、大切にしようとしている価値観をメンバーと常に共有し、そして、現場が実際にその価値観を感じることができ、実際に実現することができる”組織の仕組み“を作ることが大切だと思います。これが、その組織に生まれる「組織文化」なのだと思います。
この記事を書いた人
遠藤 直哉